無痛裸足ランへの道〜その4

 

これは先日、某大学で裸足研究の被験者として裸足で走った時の私のスティックピクチャー、モーションキャプチャーである。

 
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こうした研究の代表では上記の研究グラフが良く引用されている。体重あたりの床接地圧の大小で小さいのが優れている、シューズや踵着地における2つのスパイク曲線は衝撃が大きくフォアフットが優れているといった内容で。
 
確かに床接地圧が小さければ身体が受ける衝撃は小さく効率が良さそうだ。しかしランニングの動作は上下方向のジャンプの要素だけではない。前進する推進力、回転運動の関わりも大きな要素である。いくら接地圧が小さく衝撃が吸収されても、前に進まなければ意味がない。
 
そこで床接地圧が推進力を効率よく得て回転しているかが重要となる。着地時のブレーキ要素とアクセル要素を分析する必要がある。
 
2段目のグラフはブレーキとアクセルを現わしている。このブレーキが小さくアクセルが大きいことが伸張反射をうまく活用した効率のよい走りにつながると考えている。
 
そして裸足ランナーにとって死活問題である接地時の足裏の痛みは、このブレーキからアクセルに切り替わる局面、床接地圧が最大になる時にカラダの重心がどこにあるかによって決定されると考えている。
 
グラフを見てわかる様に床接地圧のピーク時がブレーキからアクセルへの転換ポイントでもある。
このピーク時に重心直下を抜け、ブレーキ局面からアクセル局面へのパーシャル、もしくはアクセル局面にあることが足裏の刺激をなくし、床接地圧を推進力に変えることに大きく関係していると直感している。
そのためには接地の瞬間は重心より軽度前よりでなければならない。なぜなら走動作は回転運動で、膝が曲がり沈み込む分だけ気持ち重心の前よりに接地をはじめないと接地圧ピークと重心直下が揃わない。
「着地は重心直下」という教科書通りのイメージに忠実になりすぎると接地のタイミングがずれて、重心直下がブレーキ局面となり、床接地圧が全てブレーキとしてカラダ全体に衝撃として襲ってくることになる。裸足ランで足裏の痛い着地はだいたいこの走りになったときに決まっている。
 
裸足ランナーとしてはこの床接地圧最大時に床反力をカラダのどこで受け止めてどれだけ推進力に変えているのか、この「どこ」かが最大の関心事である。
 
これらの主観と客観を一致させるのは至難の技。
ここがランニングの奥深くもおもしろいところである。