マンサンメソッドnext(序章)
野生動物の群はみな同じ動きをして走る。
それなのに人間の群、マラソン大会で走る人の姿は何故あんなにもバラバラなのだろうか。
それは人間がもはや野生動物ではないことの証でもある。
野生の人間と野生から離れた人間の一番の大きな違い、それはシューズの有無だ。
シューズが人間の姿勢を、動きを本質的に変えてしまっているのだ。
シューズを知らない人間の群は同質の動きをする。
幼児、学童の運動会での集団での裸足競技を見れば一目瞭然である。
それも現代ではなかなか見られない光景となった。
そのことに気が付いている人は少ない。
もはや生まれて死ぬまでに一度もシューズの習慣を持たない人類は地球上にいない。
故に人はシューズの経験と今履いているシューズに条件付けられた走りをすることになる。
トップアスリートはどうだろうか。
彼らの集団走は不思議とほぼ均一な動きをしている。
シューズが揃うとなおその均一さが増すのは素人目にも明らかだ。
彼らはシューズを履いてこそいるが、
人間にとって理にかなった「野生」の動きをしている。
シューズを履いているにもかかわらずにだ。
では大人になってからシューズを脱ぎ捨てて裸足ランを始めればみんなが、
「野生の動き」を取り戻せるのだろうか。
答えは「否」だ。
裸足になった大人はこれまでのシューズの習慣で条件づけられてしまった動きを裸足になっても大なり小なり繰り返し続けてしまう。
怪我をしにくいと言われる裸足になったにもかかわらずに、
シューズを履いている時と同様な怪我をしてしまう。
シューズの習慣で条件づけられてしまった悪い癖と決別し、
裸足の子供やトップアスリートに共通して見られる野生の動きを身につけることによって、
怪我とは無縁で、
走るのが楽しくて仕方なくて、
いつまでも、どこまでも走っていたくなる、
そんな境地があるはずだ。
子供はそのコツを大人に教えるすべがない。
トップアスリートも無意識にそれをやっているので、
普通の人へそれを伝える言葉を持たない。
普通の人が普通にそれを身につけていく。
それがマンサンメソッドnextだ。
野生の動きについては項を改める。