富士登山競走山頂コース完走 雑感

 

1. 富士登山競走におけるワラーチ(man結びワラーチ)

裸足に一番近い軽くフリーな履物?!裸足とどちらが速い?!

ワラーチで走ると決めた際、

ロード用のワラーチにするか、

トレイル用ワラーチにするか。

二者択一があった。

富士登山競走はひたすら3000m登るだけの下らないレース。

無駄な重量はパフォーマンスの低下を招く。

そもそも裸足で走ろうとしていたので過剰なサポートは不要。

ロード用のman結びワラーチで走ることに決めた。

 

man10000.hatenablog.com

 

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ワラーチで走るからにはタイムを狙っていこうと考えた。

馬返しまでのロード区間は積極的にレースしながら走った。

 

しかし昨年の五合目コースのときと比較すると、

疾走感があった割には意外なほど、大きな違いは出なかった。

 

スタート〜馬返しスプリット今年(ワラーチ)      1時間01分02秒

スタート〜馬返しスプリット昨年(5合目コース)(裸足)1時間02分07秒

 

中の茶屋からの荒れたアスファルトでは間違いなくワラーチの方が、

速く走れているはずだが、

スタートから中の茶屋までは裸足の方が全然速かったのは間違いない。

 

さすがに馬返し〜5合目のトレイル区間では足裏事情的に走れなくなるパートも、

ワラーチの利を生かし走ることができ、7分近いタイムアップに貢献している。

 

馬返し〜5合目スプリット今年(ワラーチ)         56分46秒

馬返し〜5合目スプリット昨年(5合目コース)(裸足)1時間03分05秒

 

 

接地に気を使わない分、神経のリソースを他の注意に回せる余裕がでる

着地に神経をとがらせなくてもある程度の走りのずれはワラーチが許容してくれる分、

周囲の状況等を客観的に考えることができる余裕が常にあった。

ただこのことは裏を返せば、マインドフルネス的な「いまここにいる自分」に集中しきれていないことを表し、不全感の要因の一つになった。

 

濡れると滑る

前半の給水場での水かぶり等により足元は100%濡れる。

ここで足裏とワラーチが滑りやすくなるという問題が起こる。

この滑りを制御しようと力み足の変なところがつりそうになるという問題も起こる。

裸足ランニングにおいて滑りやすい摩擦係数が少ない局面で足裏が滑るということは、

接地の真芯、重心がずれ、ブレーキをかけてる、または足を蹴り摩擦させている象徴。

これはワラーチを履いているときも同様で足裏の滑りは走りの崩れのサイン。

実は走りの崩れを知らせてくれるとてもありがたいもので、

修正しながら走れるのでフォームが崩れないメリットがある。

ただ走りをスポイルされているとマイナスに考えるランナーも多い。

この辺りの機微を会得しきれていない向きにはノンスリップ加工なしのワラーチは、

富士登山競走には不向きだろう。

会得していればノンスリ加工は必須ではない。後半はほとんど濡れない。

 

岩場でハマってワラーチが脱げてしまう

7合目から続く溶岩地帯では溶岩の岩のくぼみにワラーチがはまり込んで、

100均ゴム紐がビヨ〜ンと伸びで脱げてしまうことが何度かあった。

その際足を軽くぶつけ小指に小さな切り傷を作った。

これはある程度想定内のトラブル。

トレイル用のしっかりした革紐のワラーチなら防げるトラブルではある。

このセクションだけの為に重いワラーチを選ぶ必要はないという判断。

全く後悔はしていない。

 

2. 富士登山競走、装備、ギア

富士講への敬意と腿上げを1mmも邪魔しないパンツ

霊峰富士への敬意から服の色は富士講的な白に統一。

質実剛健、ノースリーブシャツも首を保護する被り物もワークマンで数百円の白の物を購入。

昨年長男のサッカー用の白のパンツを借りたが太ももにまとわりつくのが不快で、

今年は陸上用の極限まで短いランパンを購入。

インナーショーツもTバック的にたくし上げて大腿臀部のストレスフリーは完璧だった。これ以上は褌を巻くよりほかにない。

ノースリーブのシャツもTシャツより腕振りがストレスフリーで快適だった。

ヘルメット

御嶽山噴火の影響で今年から推奨装備品となったヘルメット。

折りたたみヘルメット購入を一時検討したが、

結局費用対効果を考え所持しないという結論。

少しでも早く余裕を持って下山することが一番の安全かと。

試走でご一緒した方がヘルメット被って5合目手前で追い抜いていった。

「意外に風が抜けて涼しいですよ」とのこと。

スタート地点ではヘルメットをザックにつけているランナーも数名見かけた。

折りたたみヘルメットを所持しているというブログも複数見た。

所持すべきか、かぶるべきか否かの答えはそれぞれが出していく問題か。

 

水、ボトル

最後まで悩んだのは水分の所持。

結局小屋で買うことを前提に所持しなかった。

天候が曇りだったこともあって、水分を購入することもなく、

エイドステーションの給水のみで問題なかった。

ただししっかり確実に補給するためゆっくり通過、摂取することをこころがけた。

レース前のウォーターローディングは意識した。

 

攣り防止

馬返し手前からゴールまで終始、ふくらはぎとハムストリングスが微妙に攣りそうな感じは続き、

それがペースアップできなかった原因でもあった。

タブレットは持参摂取。ストップするほど攣らなかったのは効果かどうか。

単に練習不足と考えている。

 

3. 裸足、ワラーチでの富士下山の留意点

ダクトテープワラーチの功罪

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試走の帰路、下山道、ブル道の砂礫にワラーチで苦戦した。

大量の小石がワラーチと足の隙間に入り込んで往生した。

その教訓を生かし、ワラーチを履いた足にダクトテープをぐるぐる巻きにして下山する対策を考え実践した。

このおかげで制限時間まで山頂にいて、閉会式に間に合うペース、1時間程度で下山することができた。

ただダクトテープで完全に足を覆ってしまったために足の中が汗で蒸れて擦れはじめ、

一部靴擦れ的に表皮剥離してしまった。

足指はフリーにしたり、巻き方を工夫する必要がある。

結局小砂利は多少なりとも侵入する。

ダクトテープを小分けにしてウエストバックに持参し、山頂で巻いたのだが、

結構な重量負担であったことは否めない。

下りも含むレースであればトレイルワラーチ1択で、こんな工夫をする必要はない。

 

 

大勢のランナーと一緒に下るのはなかなか興味深い経験であった。

 

4. 富士登山競走対策(トレーニング編)

14〜10日前の山での高負荷トレーニング

https://instagram.com/p/5GZ0XjDG2L/

 

個人的にレース2週間から10日前に翌日に筋肉痛が出るレベルの高負荷の山でのトレーニングを行うピーキングが奏功する経験則がある。

今回もそれに則って、富士山の試走を入れられたことが完走につながったと確信している。

ただ直前に夏風邪にかかるというハプニングがあり、ほとんど走れなかった。

これによりスピードの切れは落ちたが、スタミナ的は温存された感じがあった。

 

 

5. 富士登山競走対策(栄養編)

月並みなバランスの良い食事

この1年で菜食や、低糖質等、一通り試した。

妻子がいる状況では徹底しきれず、最終的な現在はこれらの中庸の食事に落ち着いている。

特に減量し絞ることはしなかった。

経験的なベスト体重(BMIにしてちょうど20)をキープするだけだった。

ジェルは一応2本持ち5合目と8合目で摂取したが、

全く欲しくもなく、義務感と荷物減らしで摂った感じ。

レース当日は朝3:30起床。普通の食事を2時間前ぐらいまで摂取した。

とにかく特別なことはせず偏らないことにだけ注意した。

 

6. 富士登山競走レースプラン

目標設定ペース

〜馬返し1時間     →▲1分2秒

〜5合目 50分    →▲6分46秒

〜8合目1時間30分  →▲4分17秒

〜山頂  30分    →  30秒

 合計3時間50分   →▲11分35秒

心拍管理:160bpm前後  →平均心拍161bpm

呼吸管理:鼻呼吸

 

過去のタイムと1回の試走時の感覚から導き出したペースであったが、

大体等身大であったように思う。

ペースは心拍ベースで管理した。

170越えると落ち着けドウドウとリラックスさせる感じで馬返しまで。

その後は160〜150をキープした。

呼吸も静かな余裕のある呼吸をこころがけ、可能な限り鼻呼吸をこころがけた。

それ以外特になにも考えてなかった。

いわゆる高山病的な症状は全く出なかった。

 

7. 富士登山競走からのリカバリー

筋肉痛がない

ほとんど出なかった。ダメージは足の小さな切り傷だけだった。

Twitterをみると富士登山競走を走ったランナーが結構同じことを言ってる。

下らない登りだけのレースで、おもにトレイルランニングで酷使されやすい下りの脚筋、大腿四頭筋のダメージが少ないことが大きいのか。

試走によってカラダが適応するためかは不明。

裸足の走りがそうさせていることも大きいとは思う。

 

hadashirunning.com

 

またこんな変化も感じてきている。

 

なにより ダメージを残さないランニングスキルの重要性は、

われわれ社会人ランナーには必須のスキルで、

今年のエイエイオーの消防士さんのスピーチにも示唆されている。

 

 

これからもたゆまず自分も環境も傷つけない優しい裸足の走りを極めていきたい。

 

8. なぜここまで裸足にこだわるのか

おいしいご飯を食べたい気持ちと、きもちよく裸足で走りたい気持ちは同じ

どうしてここまで裸足にこだわっているのだろうか?

自問自答したとき、こんなことがふと頭をよぎった。

 

 

足の可能性をフルに使って

足裏の神経の可能なかぎり

地球を感じていたい 

できるかぎり長く、速く、より遠くまで

 

そのための精進は続く。六根清浄。