裸足だからこそ速く走れる

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勝負の駅伝が終わった。
昨年は最長距離エース区間の1区を任され最後1分半足りず繰り上げスタートで途絶えた襷。その責任を感じない日はなかった。
裸足チームは年々順位、タイムもレベルアップ。裸足ランナーの増加から、昨年より2チームに増やしてすら、メンバーになりたくてもなれなく悔しい思いをしている裸足ランナーも多い。
そんな中、ここ数年目標の5000m17分台が出せずPB更新できず、平均18分30前後で伸び悩み続け、駅伝のメンバーにさえ選ばれないかもしれないという焦りと苛立ちと諦めをこの1年抱えていた。
裸足のライバルたちが次々と自己ベスト更新ブレイクスルーしていく姿を喝采しつつも複雑な気持ちを抱えていた。
 
40代中盤という年齢?
運動センスのなさ?
フィジカルスペック的な限界?
アプローチの間違い?
努力不足?
 
次々浮かんでくる言い訳を打ち消す日々。
 
今回1区ではなく、4区を任されたのもそんな煮え切らない冴えない走力を反映してのことだった。
 
4区は山下りの4.6kmの最短区間。
距離が長くなるほど相対的には速く強くなる傾向の自分にとっては短すぎる区間。
下り坂アスファルトは2年前の勝田マラソンの15km地点の下り坂で血マメを作った鬼門。過去の実績上では適性にはかなり疑問が残った。しかし昨年の不甲斐ない自分を払拭するためには、チームの襷をつなげるためには激走するしかない。
裸足で日々たゆまず研鑽してきたものへの誇りにかけてその全てを余すことなく出し切るだけだと開き直った。
 
結果、キロ3'30ペースで押し切り、10人抜き9位順位を押し上げ、区間65位で襷を繋ぐことで、なんとか貢献できた。
下り基調とはいえ最近の走りからすると上出来。5000mベストのペースよりキロあたり6秒速いペースで走ることができた。足の裏も無傷ノーダメージだった。自分でも驚くほど速く、上手く走れた。ゾーン、フロー状態で止まって見える先行するランナーを次々パスしていった。
 
今回地元新聞に裸足チームが紹介され、その見出しに
「裸足ランナーに注目、それでも速く走れる」
の文字が躍った。
でもあの表現は根本的に間違っている。
 
「それでも」ではなく
「だからこそ」速いのだ。
 
シューズを履いてたら、
重くて邪魔で、
あのスピードで無傷では走れない。
 
裸足ランニングのスピードの無限の潜在能力を思い知らされた駅伝となった。
 
裸足は速い。
 
まだまだ速くなれる。