富士登山競走「裸足サブ4」完走記 その1スタート〜馬返し
もうやれるだけのことはやった。あとは4時間半、一心不乱に登ったその結果、どこにたどり着いたかということだけだ。
— man@7/28富士登山競走山頂 (@man10000) 2017年7月26日
3年前、5合目コースを裸足で完走して得た山頂コース挑戦権。
しかしその後の試走で裸足では5合目以降の山岳コースの悪路でレースペースをキープすることはおろか、
足裏が山頂までもたないことが判明。
2年前、完走のため仕方なしに手作りサンダルを履き山頂コースを完走した。
しかし裸足でなかったことによるあまりの不全感から再度裸足での挑戦を決意。
昨年、裸足で山頂コースを初挑戦したが荒天のため5合目打ち切りレースとなり、先送りとなった。
そして迎えた今年。
事前レースである彩の国100マイルを途中でドロップDNFしたという嫌な感覚が残っていた。
その空気感を払拭するためにこれまで以上の早さ頻度で試走、準備を重ねた。
しかし、試走の結果は完走ギリギリ、下手をすれば8合目関門ギリギリという見込みが出ていた。
それでもレースを控え、覚悟は決まっていた。
不可能とは、自らの力で世界を切り拓くことを放棄した臆病者の言葉だ。
不可能とは、現状に甘んじるための言い訳だ。
不可能とは、事実ではなく、単なる先入観に過ぎない。
不可能とは、通過点だ。
不可能なんてこの世にない。(モハメド・アリ) pic.twitter.com/IJPLxZOnNw— 感動のアスリート名言集! (@athletes_kando) 2016年12月14日
裸足で富士登山競走を時間内完走するなんて不可能だ。ありえない。
裸足ランナーである自分ですら時折アタマをかすめるこの「不可能」の文字。
モハメッド・アリのこのことばが見事に自分の弱気をひっくり返してくれた。
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レース前日は夜勤明け。大した仮眠もできず家庭内ミッションをこなす。
これまで過去3回はクルマで未明発早朝着の弾丸日程だった。
今回はコペルニクス的ライフハッックを考案、実践のため車中泊を決め込む。
【速報】ホンダLife車中泊仕様完成!助手席を取っぱずして前後逆にするだけの簡単な作業でほぼ段差レス身長182cm臥位がとれる車内空間を確保。12mmのボルト4つをオンオフするだけ5分以内の転換作業(助手席を外して走るのは道交法違反のため)。 pic.twitter.com/Vw89PKNjyA
— man@7/28富士登山競走山頂 (@man10000) 2017年7月20日
レース当日は4:30起き。
擦れやすい部分はは特に入念に刷り込む。
ほとんどのランナーは少しでも前のスタート位置を
確保するために早めに来て待ち構えている。
しかし裸足、褌一丁で早めに並び好奇の視線を浴びることで、
5合目コースに出場の裸足仲間の応援エールを受け気合が入る。
「去年も会いました!」「いつも裸足なんですか?!」「握手してください。そのパワーにあやかりたい!」「一緒に写真を撮ってもいいですか!」などなど。
そして、スタートの号砲を聞く。
富士浅間神社の手前を右折して森の中へ。
すぐ浅間神社の給水所に到着。
しっかり水を1杯飲み軽くかぶり水。
給水所を出ると、単調な長い上りが始まる。
調子は可もなく不可もなし。
時計は持っていなくても周囲のランナーのゼッケンを見ればだいたい自分が全体のどの位置を走っているかがわかるのがこのレースの面白いところ。
中の茶屋でも知り合いから声援を受けさらに気合が入る。
中ノ茶屋を過ぎると、足裏事情的に失速し周囲のランナーに抜かれるモードになるのが例年の典型的な展開だ。
失速感はあるが、斜度分の失速であって、周囲のシューズランナーも同様の程度。
いつも失望する区間で前向きに淡々とレースできている自分に不思議な気持ちになる。