マンサンメソッドnext
では、裸足の子供、トップアスリートのみが持つ野生の動きとはどんな動きだろうか。
世の中を見回して、走動作の分析のほとんどが、横方向からのものがほとんどだ。
マンサンメソッドnextの動き(以降「nextの動き」とする)は横方向からではわからない。
nextの動きは主に前後方向、正面、背面からその動きを察することができる。
もっと言えば、上方向、横方向の3次元、立体的に動作を捉える必要がある。
まず一番端的な部分で言えば、
後ろから見た遊脚の「足」が内旋位、
つまり「内股」になっていることだ。
これは母趾球に重心が通って大地から反力を最大限にもらった結果生じる動きでもある。
この動きが出る時に股関節は3方向(屈曲伸展、外転内転、外旋内旋の三方向)に立体的に動いている。
一方、ほとんどの野生を失った一般人は股関節を屈強伸展の1方向にしか動かさずに一生を終える。
一般人の後ろから見た遊脚の「足」は真逆の外旋位、
「ガニ股」になっている。
実はこのnextの動きは四つ足の野生動物も有している動きで、
人間だけに特有な動きではない。
前へ降り出した左前足、右後足は外旋位、
そして後ろへ蹴り出された右前足、左後足は内旋位にあるのがわかるだろう。
野生の自然で普遍的な動きであることがよくわかる。
この動きは直立二足歩行の人間の場合は、
上半身と下半身とのつながりあって発露する動きであることが逆説的にわかる。
繋がりを切ってしまっているのは無駄な力み。
脱力して解き放たれる必要がある。
野生を失った一般人は上半身と下半身の動きが腰で切れてしまって別動しているため、
このnextの動きが頭でわかっていても身体が反応できない。
この股関節3方向の立体的な動きは全身にスパイラル(らせん)の動きを誘発し、
それ自身が動力源となる。
上下前後方向の伸張反射と併せ、Wのエンジンになる。
それがnextの動きだ。
ただし、このスパイラルなパワーを余すことなく受け止め発揮するためには、
両足56個の骨全てを正確無比に使い倒す必要がある。
足を一枚の板とイメージするシューズの呪縛から離れ、
立体的な構造物として3次元に接地する必要があるのだ
長くシューズの中で眠らせてしまった足では、
このスパイラルなパワーを受け止めることができない。
「nextの動き」を習得するためには、
これら「足部の巧緻性」「全身の繋がり」「完璧な脱力」の3つのスキルが満たされる必要がある。
野生を失ってしまった、子供でもトップアスリートでもない、我々は単純に走ったり歩いたりすることからだけでは、この動きを身につけることは極めて困難である。
少しフォーカスを変え、武術やボディーワークのスキルを援用し鍛錬する必要がある。
それがマンサンメソッドnext αβγのワークとなっている。