蟻の一穴、裸足の一穴

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蟻が掘った小さな穴が原因で強固に作った堤でも崩れてしまうことがあることを「蟻の一穴」という。
では鍛え抜かれた裸足ランナーの足裏が崩壊するその一穴(いっけつ)とは何だろうか。 私の場合は左の足裏にあるイボだ。いつもこいつが裸足のパフォーマンスを低迷させてくれる。このイボとは裸足ランニングを初めてまもない頃からの付き合いだ。残念ながらイボがないクリアな足裏感覚で裸足ランニングをした記憶がない。これまで様々な治療を施してきたが、軽快はするものの最後の一点でしぶとく居座りつづけている。
今回の小江戸大江戸200kも同様。足裏のイボとの珍道中となった。イボの病状はどちらかといえば存在感を強めるタームで、指の腹で押すと疼痛を感じる程度には鋭敏になっていた。
すでにこちらで総括したように小江戸の路面は酷悪で、どれだけ完璧なフォーム、接地を心がけたとしても路面からの刺激はかなり強い。
30kmを超えたあたりで、まず最初に脳天に突き抜けてきたのはこの左足裏のイボからの痛みであった。
 

 

この頃はまだまだ元気かつフォームにも気持ちが行き届いていたので、すぐにこの痛みはいつもの齟齬だなとやりすごした。
 
その後40kmを超え養鶏場の庭先やら完全な田舎砂利道が出てきたあたりからこのイボへの集中的な強い刺激が連続するようになる。
スピードを落とすと接地時間が短くなりさらに刺激が増すの悪循環。
これまで山で身につけたガレ場専用の特殊なフォームなどを試すがスポット的には効果はあるが、断続的かつ不意に討ち的に勃発するマキビシ無間地獄には対応しきれなかった。
そうこうしているうちに、イボ部の刺激過多から足指が屈曲し縮こまることで左の第4趾の指の腹の摩擦が増え、強い刺激を感じ始めるようになる。
続いて逆の足の前足部、両踵と鋭利なマキビシ刺激による知覚過敏はめまぐるしくローテーションするようになる。
初回挑戦の際、シューズランナーとのスピード差、失速に焦り無理をしてスピードをあげたことで脳天を突き抜ける小砂利踏み抜きが多発した経験を踏まえ、200km完走を視野に今回は焦らずじっくり深い傷を負わない戦略で挑んだ。
しかし結果、大きな傷を負わないかわりに小さな傷を断続的に受けることで蓄積、限界は初挑戦の時よりも12km早く訪れ、その後のサンダルランで発揮すべきスタミナも食い尽くしDNFという結果で終わった。
 

 
ここでもし仮に足裏にイボがなかったなら、最初の一穴は生じず、足裏が崩壊することはないのではないかという希望的仮説が浮上する。
 
その真偽はいかに。
 

 

足裏のイボ駆逐に専念したい。