裸足で山を走るということ
裸足で山を走る。歩く。
裸足で山を登り下りさまよう。
裸足で山へ行ってみると、
見えてくる景色、
聞こえてくる音、
全身の 皮膚で感じる触感。
山での体験そのものが、
これまでシューズを履いていた時のものとは、
まるで次元の違った濃厚なものに変化する。
これまでの山行はなんだったんだろうか。
山をこれほど感じていただろうか。
山をこれほど慈しんでいただろうか。
裸足登山に関しては以前のブログに書いた。
裸足で山に入ってまず一番最初に感じるのは、
シューズを履いた人たちの「靴音」だ。
裸足になると「靴音」がなくなり「足音」だけになるので余計に耳につく。
裸足で山を登って。シューズの人たちの足音が大きく、うるさく、時にビクッと驚くほどだった。野鳥の気持ちがわかった。靴音って自然な音ではないな。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
なぜ靴音がするのか。
それは靴底と地面がけんかして、こすれているから。
これにはハイカー、トレイルランナーの区別はない。
うまく歩けて走れている人は最小限の靴音。
そうでないその他大勢の靴音には酷いものがある。
硬いグリップのよく効く山用シューズのソールで摩擦されたらひとたまりもない。
シューズの破壊力は凄まじい。トレイルに浮き出た木の根が踏まれて皮がはがれていた。裸足で木の根を踏んでも木の皮はむけない。その前に足裏の皮がむける。自然破壊の原因をトレランかハイカーかの区別はナンセンス。足裏の仕様と、歩き走りの足裏を摩擦量がトレイルへのダメージを変える。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
このようにシューズを履くと大なり小なり繊細な自然を傷つけてしまうのだが、
足裏は厚く保護されているので本人はその自覚に乏しいのでタチが悪い。
走り方には細心の注意をはらう必要がある。
山行が自然破壊にならないためには、
最低でも裸足の走り方、歩き方でシューズを乗りこなすスキルが必要がある。
シューズを履いて「足音」はさせても「靴音」はさせないのが極意。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
そもそも山は神聖な場所であり、数多の山岳信仰の拠り所でもあった。
そこに土足で入り込み、シューズという人工物で踏み荒らしている ことを
もっとわたしたちは自覚するべきなのかもしれない。
自分のお腹の上を、裸足のこびとが走り回るのと、トレッキングシューズを履いたこびとが歩き回るのと、どちらが辛くないかを考えれば、山に与えるダメージを少なくするために必要なことが何かの本質がわかる。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
裸足のこびとなら何千人通り過ぎても平気だけど、シューズ、特にグリップ力のあるソールなんかでこられた日には、例え歩きだろうと走りだろうと数十人が限度。何百人でこられたら腹がいくつあっても足りないよ>_<。
このあたりがお山のホンネだろう。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
山を御神体と考えるなら、裸足で入山するのは自然のなりゆき。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
裸足で山に入ると、とにかく会う人会う人に非常に驚かれいろいろと声をかけられる。
その結果、 途方もなくコミュニケーションが増える。
それもまた違った意味で裸足山行のたのしみになりうる。
関西のおばちゃんハイカーさん:「どんなステキなスケルトンのシューズ履いてはるのかと思ったら、あれ裸足…」
私:「どんなシューズやねん!」
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
ハイカーAさん:「あれっ、裸足っすか!?何かの修行ですか?」
私:「修行じゃなくて、趣味ですw」
ハイカーBさん:「御嶽の山伏さんとかそんな感じですか?」
私:「いやいや、汗、ただ裸足が好きなだけですわw」
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
ハイカーCさん:「ああ…、悪いことたくさんしはったから、修行ですね」
私:「そうなんです。数え切れないぐらいの悪事を…www」
ハイカーDさん:「あっ、また裸足のお兄ちゃんに合った!その健脚にあやかりたい(手を合わせ拝み始める)」
私:「いやいやかんべんしてください(苦笑)」
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
ベテランハイカーさん(複数人):「私若い頃からずっと山やってるけど、裸足の人は初めてみたよ」「地下足袋を履いてる人みたときも驚いたけど、すごい(絶句)」
歩荷の小屋番のお兄さん:「沢登りしてきたんですか?!ええっ、そうなんですか。ものすごい鍛えられそうですね。自分は無理だわw」
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
みんな異口同音に裸足で山を歩く、走るなんてありえない、不可能というが、
ほんとうにそうだろうか?
私たちの先祖はどのようにして山を登り崇めてきたのだろうか。
極めて裸足に近い簡素なスタイルで山に入っていたことがわかる。
有史以前まで遡れば裸足で山にわけいっていてたであろうことは容易に想像できる。
裸足で山を登るのは想像するほど難しくないが、裸足で山を下る難しさは想像を絶する。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
山で裸足を鍛えていけば、接地の度に足裏がアメーバの様にカタチを変えてトレイルの様々なサーフェースにフィット、七変化する様に進化する。そんな手応えを感じた。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 16
ガレた下りのトレイルを裸足で駆け下りるために必要なアジリティは平板で規則的なラダートレーニングでは身につかない。シューズよりも限られたラインになる裸足。アットランダムな瓦礫の配置。わずか選択肢の中から瞬時にラインを選びステップを踏む能力。山でしか鍛えられないチカラ。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 16
スリッピーかつガレてイカレた激下りを、裸足で痛みなくスピーディーに駆け下りる技術。究極の裸足スキル。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 15
ニンゲンの裸足の足裏は、想像以上に繊細で、思いのほか器用で、使えば使っただけ強靭になる。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 16
山でもアベベ人気は絶大だった件。ローマ五輪の話などを語る年配のハイカーがたくさんいた。裸足といえばやはりアベベ。
— man@7/24富士登山競走(山頂) (@man10000) 2015, 6月 16
アベベは子供の頃から裸足で野山を駆け回っていた。
その事実をどう考え、どう行動に移すかだけが問題なのだ。